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2005.1.22 開設/6.2 FC2 移転。きまぐれ管理人が、周期、内容ともそのときの気分で更新しております。
スープカレーとは
この東京で暮らしていても、何かのはずみで「スープカレー」が話題に上るくらい、この札幌ローカルの料理も、名前だけは売れてきた。

しかし未体験組が言うことといえば、「おいしそうだ」「食べてみたい」が5割。
そしてあとの5割は
      「札幌以外にもスープカレーってあるよね(何をいまさら)」
      「薄いカレーって物足りなくない?」
という台詞だ。

札幌で2,30年前に出現したというこの料理だが、当地でも一般的に知られるようになったのはここ数年のことらしい。
最近では、東京など日本各地に札幌の有名店が地元での人気の余勢を駆って支店を展開しているし、各地の地元のカレー屋さんやインド~東南アジア系料理の店までが「スープカレー」を出すようになっているから、札幌以外の人でも名前だけは聞いたことがあるという人は少なくないはず。

しかし札幌の有名店が出した支店ですら、道外の店舗では本店の味が再現されていないところがままあるというのが現状。
道外各地の地元店が見よう見まねで出している「スープカレー」となると、「本物」との乖離はさらに大きい。

よくあるのが、もともと粘度の低いカレー(類似)料理がある、インドやその周辺国、東南アジア各国系の料理店が、既存のメニューの名前だけ「スープカレー」と名札を張り替えたケース。

東京近郊で「スープカレー」を謳った料理を出す店が珍しかった頃は、たまに見つけるととにかく食べてみたが、その度に(粘度が低いだけでは札幌で言う「スープカレー」とは別物なのに)と失望させられることになった。
「スープカレー」とは別物でも、カレーとしておいしければそれはそれで満足できるのだが、こういった店は、安易に流行の名前をつけるだけあって、それ自体が期待の水準に達していないことが多いような気がする。

その一方で出来合いのメニューではなく、店独自の「スープカレー」を新規に開発して提供している店もある。
しかし、それらの店の「スープカレー」も残念ながら大半は「本物」とは似て非なるものだ。下は普通のカレーを薄めたような食べ物として失格な物から、上はまた食べたいと思わせる味でありながら、「スープカレー」とはなにかが違うと思うものまでさまざまだが、いずれにしても「スープカレーを食べた」という満足感は得られない。

では何を以って「本物」の「スープカレー」と呼べるのか。

そもそも、数多ある地元札幌発のスープカレーサイトを主催するお歴々ですら、腑に落ちる明快な定義を提供してくれていない。


それでも、あえて定義づけをしてみるならば

【0)カレーソースが、粘度の低いスープ状であること】
「スープカレー」という名前なのだから、書くまでもないこととも思えるが、これは必要条件ではあっても、十分条件ではない。
「普通のカレーを薄めたもの」でもなく、「インドや東南アジアのカレーは殆どがとろみの少ないスープ状」なのにそうとは呼ばないのであれば、何をして「スープカレー」足り得るかは、これ以外の条件が必要なはず。

【1)丁寧にベースとなるスープを作っていること】
「カレー」の起源であるインドでは、出汁を意識的にとる習慣が発達しなかったらしい。もちろん、具として投入する肉や野菜から自然にうまみは出るが、それはあくまでも副次的効果であり、料理の味の深みは専らスパイスの複雑な調合に頼ったといわれる。
しかし、スープカレーはインドカレーとは別個の料理。スパイスの調合の妙により味を作るのはもちろんだが、ベースになるスープをとり、旨みも味わえるように作られている必要がある。

【2)スパイスの調合にこだわっていること】
「カレー」は本来インド料理だが、タイ、ベトナムといったアジア諸国の、スパイス調合で味を作っていく類似の料理も今の日本では「カレー」と呼んでいる。
「カレー」というと、ターメリックとクミンが必須というイメージがあるが、インド以外のスパイス料理もカレーと呼ぶとすれば、必ずしもこれらでおなじみの黄褐色と匂いを出す必要はない。おなじみのこの二つのスパイスと若干の辛み付けの唐辛子が入っていることでよしとする無個性で辛さ控えめの「日本風カレー」はスープカレーとしては不合格で、広義のカレーが共通して持っているスパイスの積極的活用を踏襲していることが必要条件になる。

【3)野菜、肉などの具がスープに埋没していないこと】
スープカレーと呼ばれているものでも、澄んでいてとろみのまったくないものから、スープ作りの際に使った野菜が煮溶けて、ある程度のとろみが出て不透明なものまである。
が、具として投入するものはあくまでもスープ作りの材料とは別に、その形と歯ごたえを保っているのがスープカレーの特徴。そのため、具はスープとは別調理することが多い。
この特徴により、口にする具ごとに別な味覚が楽しめるため、一皿の分量が多いこの料理を最後まで飽きないで食べる助けになっている。

【4)具、スープとも分量が多いこと】
家庭のカレーなら「おかわり」ができるし、インド料理店などでは数種のカレーを一遍に頼んだり、一緒に他の料理も注文して食べることが普通だが、スープカレーの場合、一緒に食べるご飯とのふた皿で一食を完結するのが通常。
それに足りるような十分な量で提供される必要がある。

【5)特徴的な盛り付け】
分量の多さが特徴であるため、そのボリュームを誇示するかのように、大きなサイズの具が盛り付けられた小さめのラーメン丼くらいの皿になみなみとスープが満たされているという形で提供されることが多い。

こんなところだろうか。


とは云え地元札幌でも、0~5 の条件をすべて満たしていない店はいくらでもある。

どこかのスープカレーサイトの主宰氏が、「札幌で『スープカレー』として出されているのが定義」と投げやりとも思える総括を書いていたのも分かるような気が。
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